暗夜行路~とある30男の婚活の記録と考察

志賀直哉の名作をタイトルに借用している通り文学好きの30男の婚活についての記録と考察

引っ張っていって欲しい女~印象に残った女4~

特定の個人というよりも、何人かの印象まとめ。婚活パーティーのプロフィールシートには「理想の相手」という項目があり、「引っ張っていってくれる人」と書いていたりする女性は多い。「リーダーシップのある人」等も同じ。

40過ぎてそういう相手が理想という人も多いと。まあ、理想だから何を願おうと勝手だが、一部の婚活女の「引っ張っていって欲しい」願望には辟易する。

20代ならまだわかる。もっと言えば20代前半だが、まあ交際未経験なら30代前半でもわからなくもない。
これが30半ばになっていて、しかも男性と交際経験ありで言ってるとして、いつまで「お姫様」なんだよ、とげんなりだ。まあ、婚活の場だと40くらいでも交際未経験の男女はたくさんいるっぽいので、思考や異性に求めるものが10代の思春期のままというのはわりとあるのだが。。

まあ、仕事にしろプライベートにしろ「リーダー」をやったことのない人は案外多いのかもしれない。なのでその苦労を知らないと。
それこそ飲み会の幹事でもいい。一度やれば「リーダー」は大変だし、それを相手に求めるというのは自分は「フォロワー」でいたいという表明、言い換えれば、自分は責任を持ちたくないという発言になっているとわかるんじゃないかと思う。リーダーをやらされがちな男性の苦労をわかってないと。

わかった上で「引っ張っていって欲しい」と言うのは自由だが、そういう「お姫様」な発言が許されるのは若くて可愛いうちだけなんじゃないかと思う。

逆に「引っ張っていってくれる人」を理想の相手と書く男がいてどうだろうか。

要は男性に対するジェンダーの押しつけなわけだが、男でも「家庭的な人」を理想として、「俺家事とか出来ないから」みたいに言う人もいるかもしれない、いや、逆に珍しいか?わからんが、そういうのと相似形であり、案外そういった相手とはマッチングするのかもしれない。

個人的には、リーダーやるのは仕事で十分なので、家でまであまりそういう期待を持たれるのは面倒です。

二種類の面倒くさい女~印象に残った女3~

「日本酒も飲むんですか?」と俺。
「そうですね、休みの前の日に父と飲むときは日本酒多いですよ、熱燗だったり」

と女1。正直、容姿は中の下から下の上ってところ。30半ばというかアラフォー、第一印象はおかしくもないけど、時々ブスだなー、と思いつつ、いやでも可愛いか、と思う、というところ。客観的にも中の下か下の中上と思う。

「実は私けっこうこじらせてて、友達ともよく話すんですけど恋愛でうまくいかなくて、共依存?っていうんですか、相手にハマり過ぎちゃうところとかあって、でですね」
中の下から中の上か、30半ばなのは同じ。地方出身で親と飲んだりしないが、友達と旅行に行ったりすることもあるらしい。

前者を1,後者を2として、どっちも面倒くさい。けどおのおの検討。

別に成年した女が父親と酒飲み行くのはいい。そんなの勝手だ。でも、そこを見せる時点でNG。じゃあ、「ときどき母とお酒飲みに行く」という男がいてどうか? 要は恋人の代替という面があると。
なので、きっと彼女は「父親を超える男、もしくは同等の男」を求めることになると。

次。友達と「旅行」に行く女。これももちろん自由だ。けど、これはこれで毒がある。
同じく未婚で、不遇を慰め合う友達がいて、「慰める」というのは現状追認という面があるが、どうだろう。無理に男なんかに、となるか。いやそこはその友人関係しだいではあるが、駄目な自分(相手)を認め合う関係も多いだろう。

まあ、強固な人間関係ーー1.父親、2.同性の友達ということだが、たまたま同時期に経験して、自分の番号は1のほうが面倒だった。ブサのくせに男に強気なのはそういうことか、と思ったが、まあそれは単純に俺の何らかのポイントが向こうが気に入らなかった、ということかもしれない。
ただ、相手がブサで性格気に入らないにしろ態度ですぐ示すというのは幼い。そういう意味で父親と仲の良い女、もっと言えばファザコンはパス。

「友達という毒」についてはもう少し検討がいるかもしれない。
文学に絡めるなら、マルキドサドの「悪徳の栄え」も友情というか仲間を求めるような部分が話の筋としてあるが、まあそれは悪事を行う感覚を共有できる相手が欲しいということで、まあ危険だ。
ここで言う「悪事」は殺人を当然含むものだが、「男を値踏みする」というレベルであっても、友情の罠というのは大きい。値踏みする自分が肯定されてしまうのだ。
ただ、言って同性の他人なので限界はあるかなとも思う。

たぶん一番やっかいなのは「母親という阻害要因」なのだろう。自他の区別が曖昧というと言い過ぎか、いずれにしろ、父娘の密着や友達との同化というのはまだまだ甘い。母娘の未分化こそ、男にとって婚活最大の難問かとも思う。

パーティー後やけ酒した翌朝~愚痴1~

婚活パーティーに行き、今日は行ける!と思ってカップリング発表を聞くと自分の番号は呼ばれない。呆然として会場を後にするとき、投票した女と目が合ったところで顔を伏せられてしまう。フリータイムで話して盛り上がったのに。

家に帰りやけ酒。ワインにチーズ。

自分は一生独身で、女とは縁のない人生なのだろうか、モテないまま死ぬのか、いや、全然駄目ってわけでもない。でも駄目だ。
自慰行為をしてふて寝。浅い眠りの後、早い時間に目が覚める。またパーティーを検索する。

女ね、女。どうせ休日やることないんだから、もっと眠っていたいが、どうも眠りが浅い。かといって軽く二日酔いで頭痛もする。

まあでも、気分がいくらか外向きで出会いを求めているからこそ、苦しみもあるということなのか。苦しさの先にしか、道はないと。

時には休むことも必要だろう。ただ、今はどんどん人と会って、お断りされて、それでもメゲずに話し続けて、という修行の段階だったりするのかもしれないね。

ここでしか探せないと言う女~印象に残った女2~

「わたし、飲みに行ったり遊びに行く友達は多いんですよ。ただ、最近まわりに既婚の人が増えてきたのもあって、それに男の人ってわたしと同年代でも全然結婚願望ない人もいるじゃないですか? あと会社の人と恋愛って嫌じゃないですか? 別れたときに気まずくなったり、だから、もうこういうとこで探すしかないんですよ」
興奮気味に女はまくし立ててくる。そうなんですね~、と他人ごとのように答えるのはパーティー会場
で会うのがもう二回目で、無いなと思っている相手だからだ。
「またお会いしましたね、よく来るんですか?」
というこっちの言葉に挑発する意図はなかったのだが、地雷を踏んでしまったようだ。

モテないわけではない、会社で恋愛はこれこれの理由で嫌、というところの実情がどうかは知らない。心理学用語で言う防衛規制のようにも聞こえる。
ただ、この人は30半ばで年相応か少し老け顔で、昔は童顔ぎみで可愛らしい感じだったかなとも思った。

飲み友達みたいなのが多いのはそうなのだろう。「イケてるグループ」の一員としてやってきて、異性関係でも色々経験があり、「モテる」という意識できた、と。まあ、数分話した程度なのでわからないが、話が面白いとか何か社交的な特技があるのだろう。人怖じしないとか。

社交的で人怖じしない、というだけでも女であれば若いうちはモテる。若いうちは防衛的な女性も多いが、例えば「合コンやる?」というので躊躇するか即答でオッケーするか、といったところで性格の違いが出る。男としては、ノリがいい女のほうが話しやすいし、何より出会いの場にいることがモテる秘訣だ。

彼女の場合、いや、婚活では割と見かけるのだが、並以上の容姿で初対面の相手とも感じよく話せるが、どこか疲れが見える女性、過去モテてきた=チヤホヤされてきた女性で、衰えが出てきて婚活するもイマイチ、というパターンなのだろう。
なまじ「イケてるグループ」にいたからか、恋人ではなく友人関係であっても異性との交流は多く目が肥えているため、「婚活男」では物足りないと。

付け加えると、女の場合は性格がクソでも容姿さえ良ければ男は寄ってくる。それでチヤホヤされてきたまま容姿が衰えてきたときに、中身は「女の子」「お姫様」のままで、「大人の女性」といった落ち着きを持たない逆名探偵コナンー「見た目は大人、中身は子供」というのもあるんじゃないかと思う。あとは癖が強いとか、こだわりが強いとか。
※お前はどうなのかというとそこは棚上げ。

まとめ

婚活は「余り物」の集まりというのは言われる。そこでは、恋愛経験ゼロのアラサー処女童貞は当然のようにいる。少しくらい恋愛経験のある非モテも多い、自分はこっちかな。
ただ、女性の場合は「昔はモテた」的な恋愛経験豊富な女(2人以上と交際)というのもわりといる。そして、彼女たちはどこか不機嫌で、疲れた印象がある。
「ここでしか探せないんですよ」
とパーティーで二度話した彼女は言ったが、つまりは「恋愛市場」では相手が見つからないということだろう。
言い訳を続けるのではなく、「自分はモテない(モテなくなった)」という現実、言い換えれば、自己評価と他者評価のギャップを認識しなければ、なかなか結果は出ないんじゃないかなとも思うが、そうは言っても人間関係は器用という長所がある以上、案外すんなり相手を見つけたりするのかもしれない。

印象に残らない事務の女~ある日のエクシオ2~

「不動産屋さんの事務をやっていて、それで元々は火曜日と水曜日が休みなんですけど、今は水曜日と日曜日の休みにしてもらってるんですよ。」
目の細い彼女はそう言う。不定休の謎は解けたが、東京都中央区在住&勤務はなぜだろう。
「通勤の満員電車が嫌でそれで今のとこに引っ越しました。会社には自転車で通ってますね」
バリバリのキャリアウーマンで職住接近、というわけではないらしい。エクシオは女性のプロフィールシートには年収欄がないので、こういう勘違いが起きる。女性だと手取り20万で家賃9万なんてパターンもある。
宅建を取ったのは30歳くらい。大手だと入社時に宅建を取ることになるから、中小なのだろう。
「休みがバラバラだと、3日働いて休み、2日働いて休みってなるから楽ですね」
確かにそれは良いと思うけど、一緒に遊びに行くのとかはやりづらいなあーー

メモを元に書いたものの、これくらいしか書くことがない。カップル成立、近場でお茶して連絡先交換、その後、お互い連絡をすることなく終わり、といったところだ。
たぶん、こっちがそんなに良い印象も惹かれる部分もなかったように、向こうもイマイチだったのだろう。もしくはこっちがあまり乗り気でないと見て取ったのか。

それでも、その彼女は10人くらいいる中で何番目かにいいと思った相手なのだ。なかなか相手はいない。

30代後半真面目に働いている事務員、容姿は普通、美人でもなければ極端なブスでもなくたぶん普通体型、別に何の不満もないのだけど、また会いたいというほどの印象も残らないままエンド。

ディズニー女~印象に残った女1~

「わたしディズニー好きなんですよ。だから東京に住みたくて」

銀座の婚活パーティーで対面した女は、名古屋在住なのに東京のパーティー会場にいるのはなぜ?との質問にそう答えた。ディズニーランドに日常的に行けるところに住みたいということだ。

印象に残った女シリーズ第1弾はディズニー女。自分としては一番のカルチャーショックだったかもしれない。まだ婚活パーティーへの参加が4,5回くらいのころの話だ。

ディズニーが好き、という女性はたくさんいる。そこは驚かない。

名古屋在住で東京のパーティー会場、このパターンは初だったのでショックだった。ただ実は婚活女性には一定数いて、つまり地方からの遠征組ということだ。

「これまでは仕事を頑張ってきて、でもこれからはプライベートを充実させようと思ってて、相手を支えるような生き方をしたい」
と山梨から遠征の女性の言葉、要は専業主婦志望で今やっている仕事なんてどうでもいいのだ。東京のそこそこ稼ぎのある旦那のとこに嫁ぎたいと。北関東あたりはザラで、甲信越、東海あたりからもいる。

ディズニーが好きで東京で暮らしたいなら、東京の会社に転職して引っ越せばいいだけじゃん、というのが僕の思考。わざわざ男の力に頼って暮らそうとするあたりが、ミソジニー用語で「寄生虫」じゃないかと呆れた。というより、婚活をする女性にはこういうタイプもいるのだなとショックを受けた。

ただ、相手に専業主婦を望む男で見た目がタイプであれば、うまく需給が一致するのかなと当時でも思ったのはある。

婚活を始めたころはまだまだ自分の世間が狭かったのだろう。キャリアなんてどうでもいいという女性は多い、いや、もっと言えば婚活の場ではそのほうがマジョリティーかもしれない。
それが極端な形で現れるのが、ディズニー女に代表される地方遠征組だが、「地元」から離れることを厭わないという点で、彼女達は冒険心と自立心を持った存在なのかもしれない。対比として出てくるのは自宅や地元大好きで離れたくない「自宅女」だ。

需給が一致するパターンもあるだろうと書いたものの、実際にはマッチングは難しい。男もいくらか恋愛感情の先に結婚をしたいと考えるわけで、「ATM」(ミソジニー用語)扱いされるのは避けたいと。
また、地方からだとマッチングした後にデート(面接)するのも大変で、そこに躊躇するのもある。

その日はたまたま他の女性とマッチングしたので会場外で待つことになった。誰ともカップル成立しなかったのか、ディズニー女が一人で帰っていくのを見送ることになった。

ある日のエクシオ1~平日パックの悲劇~

「こんばんは、前お話しましたね」
慣れた様子の女はスマホを取り出してLINEのチェックを始める。年齢は30半ば、目尻の皺が歳を感じさせるが昔はモテたのだろう、中の上といったところ。
俺も手持ち無沙汰でスマホを見ることになり、特に会話もないまま次へ移動する。今度は話したことのない女性だが盛り上がらず、また移動、会ったかどうかわからない相手だが年齢45歳と10歳以上も上で対象外だ、次の女性はこれで会うのは4回目になるーー

エクシオ平日婚活パーティー参加し放題パック

というサービスがある。2018年4月だと、男性11800円女性1000円で、平日のパーティーに1ヶ月参加し放題、となんとも太っ腹でお得なサービスなのだが、落とし穴もある。常連が発生しやすいのだ。
報告している私も常連と言えるのだが、参加者の半分以上は話したことのある相手、というのはザラにある。初めて話す相手も40オーバーの女性ばかりで、対象になりそうなのは1人ということもある。エクシオは年齢幅が大きいのだ。
女性側に確認すると、平日パックを利用の女性も結構いた。苦笑いにしろ、同士のような感じで世間話を出来る相手ならいいのだがー

冒頭の女性について。お前は対象外、と言わんばかりにスマホを操作し始める態度はどうかと思うが、彼女にとっても一度会ったことのある相手ばかりというのは不幸なことだと思う。

地方の婚活パーティーでは常連が多く、ほとんど一度話したことのある相手で行っても意味がない、というのは婚活ブログでよく目にする内容だが、都内のパーティーでも同じような自体が生じているのだ。なんたる悲劇!