暗夜行路~とある30男の婚活の記録と考察

志賀直哉の名作をタイトルに借用している通り文学好きの30男の婚活についての記録と考察

ディズニー女~印象に残った女1~

「わたしディズニー好きなんですよ。だから東京に住みたくて」

銀座の婚活パーティーで対面した女は、名古屋在住なのに東京のパーティー会場にいるのはなぜ?との質問にそう答えた。ディズニーランドに日常的に行けるところに住みたいということだ。

印象に残った女シリーズ第1弾はディズニー女。自分としては一番のカルチャーショックだったかもしれない。まだ婚活パーティーへの参加が4,5回くらいのころの話だ。

ディズニーが好き、という女性はたくさんいる。そこは驚かない。

名古屋在住で東京のパーティー会場、このパターンは初だったのでショックだった。ただ実は婚活女性には一定数いて、つまり地方からの遠征組ということだ。

「これまでは仕事を頑張ってきて、でもこれからはプライベートを充実させようと思ってて、相手を支えるような生き方をしたい」
と山梨から遠征の女性の言葉、要は専業主婦志望で今やっている仕事なんてどうでもいいのだ。東京のそこそこ稼ぎのある旦那のとこに嫁ぎたいと。北関東あたりはザラで、甲信越、東海あたりからもいる。

ディズニーが好きで東京で暮らしたいなら、東京の会社に転職して引っ越せばいいだけじゃん、というのが僕の思考。わざわざ男の力に頼って暮らそうとするあたりが、ミソジニー用語で「寄生虫」じゃないかと呆れた。というより、婚活をする女性にはこういうタイプもいるのだなとショックを受けた。

ただ、相手に専業主婦を望む男で見た目がタイプであれば、うまく需給が一致するのかなと当時でも思ったのはある。

婚活を始めたころはまだまだ自分の世間が狭かったのだろう。キャリアなんてどうでもいいという女性は多い、いや、もっと言えば婚活の場ではそのほうがマジョリティーかもしれない。
それが極端な形で現れるのが、ディズニー女に代表される地方遠征組だが、「地元」から離れることを厭わないという点で、彼女達は冒険心と自立心を持った存在なのかもしれない。対比として出てくるのは自宅や地元大好きで離れたくない「自宅女」だ。

需給が一致するパターンもあるだろうと書いたものの、実際にはマッチングは難しい。男もいくらか恋愛感情の先に結婚をしたいと考えるわけで、「ATM」(ミソジニー用語)扱いされるのは避けたいと。
また、地方からだとマッチングした後にデート(面接)するのも大変で、そこに躊躇するのもある。

その日はたまたま他の女性とマッチングしたので会場外で待つことになった。誰ともカップル成立しなかったのか、ディズニー女が一人で帰っていくのを見送ることになった。