暗夜行路~とある30男の婚活の記録と考察

志賀直哉の名作をタイトルに借用している通り文学好きの30男の婚活についての記録と考察

カップリングできない日々とアトピー女~アエルラの思い出2~

最初に結論を言えば、自分がカップリングできたのはパーティー参加5回目か6回目になる。それも10人中9人がブサイクだと思うだろう相手だ。いや、ブサイクは別にいいのだが、問題は僕が特に異性として惹かれているわけではない、というところだ。ブスでも女として惹かれてるなら何の問題もない。

とにかくカップリングできなかった。話が盛り上がったように感じても、あるいは中間投票で「いいね」をもらっても、最終では無し。そんなパーティーが続くと、とにかく「カップリング」できればいいとなる。

と、でもだめ。このままだと一生結婚はおろか、カップリングすら無理なんじゃないかと、思いつめることとなった。もう、誰でも良いからカップリングしたいと。

実際、男にとって婚活パーティーは高い。安くとも5000円はかかる。5回を超えたところで、高額のアエルラも入っていたので4万近かったんじゃないかと思う。

4万あれば何が買える? 4万稼ぐのに何時間働けばいい? 月の給与からの手取り、そこから家賃光熱費食費なんかを引いて、残りどれだけが自由になる? それで俺はメアド一つも入手できていない。このまま40万?400万?いや、いくら費やしてもカップリングなんて無理なんだよ
 と、思考はネガティブに回り続けて、失う金の大きさばかりが気になると。正直、婚活といったよくわからないものに毎月3、4万も使うとなるとげんなりしてしまう。今は月5万や年間100万くらいは覚悟しているし、5回カップリングしなかったとして運が悪かったと諦めがつくが。

すぐに相手見つからないお前が悪いと言われればそれまでだが、金が減る恐怖と喪失感は大きい。失う額もキリがない、というのもある。毎週末5000円なり8000円なりを数回払う日々? 先が見えないのだ。

もはや名前も覚えていないのだが、Aさんとする。ニキビ?ではなくアトピーがひどくて、肌は赤くただれていて、体型も太っていた。まあ話してなんとなく楽しいな、とは思ったのはそうだ。中間投票でとりあえず入れた一人で、最終で何位だったか入れたと。
いや、アエルラは中間、最終前、最終だったか?まあ最終前があったかわからんが、中間で入れて、中間2で向こうも入れてきて、それで、とにかく誰かしらカップリングしたくて入れた、と。

カップリングして、ヨドバシアキバでお昼ご飯。出て、一緒に歩くところで「うわ、ブスだなー」みたいに向かいから歩いてくる男が引く様子が印象に残っている。なんでこの女は男と一緒なんだ、と二度見するような感じか。というか俺がチラ見されたのだった。
まあ、たぶん客観的にも彼女は下の中とかそれ以下とか、そんなものだったと思う。肌の汚さがないとしても、輪郭なり体型なり、女としてそそられる部分がない。まあ話してて不快でもなく、ちゃんとした家族両親のもとて育って友人にも恵まれているような性格に問題なさそうな子で、腐女子に乙女ゲー好きとオタク趣味の揃った相手だった。

横断歩道で横顔を見て、ブスだなー、気持ち悪いなー、と思った。なんでカップリングしたんだろう、と悲しくなった。アトピーらしい肌がグジュグジュしていて、腫れているところが割れてカサカサになると同時に脂っこく濡れて光っている。傷口のような、かさぶたがとれた後のような肌が顔全面に広がっている。キスなんてしたくないなー、と。
(こう書くと俺はクズみたいだがそこは自覚していて、客観的には相手に悪いことしたなあとは思うものの、嘘は書かないブログの方針です)

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結局、Aさんとは二度と会うことはなかった。LINEでやりとりして夕食の約束はしたが、金や時間がもったいないと思ってキャンセルしたのだ。

意地汚い自分の心境を考察するなら、とにかくカップリング→食事、という可能性がわかれば十分というところか、まあ単にまた会いたいと思わなかったのだが、LINEでのやりとりはなぜかドタキャンした後も続いた。
Aさんは腐女子で、腐女子というのは趣味でもあるが性癖の部分もある、でも、自分は男性とつき合ったことはないし処女で、ただ男友達はわりといたそとがある、などなど。あとはアトピーの苦労話なども聞いたか。

肌さえなんとかすれば、まあ相手はいるんじゃないかと今は思う。異性として意識はほぼないが、会話で不快ということはなく、楽しいところもあった。まあ、オタク女にありがちな胸なしで腹が中年太り隠れ肥満なだらしない体型なのだが、まあ男だってそんな立派なものでもない。

そんなこんなで、初めてカップリングした相手は、こっちからLINE削除で「切る」こととなった。