暗夜行路~とある30男の婚活の記録と考察

志賀直哉の名作をタイトルに借用している通り文学好きの30男の婚活についての記録と考察

はじめまして~婚活という迷路~

「はじめまして、10番の青山です、よろしくお願いします。あ、ユキさんは看護師さんなんですね。ええ、僕のほうはIT系でそのやっぱり出会いがなくて、はいそれでこういった婚活パーティーに参加するようになってですね」

相手の女性はこっちの話に相槌を打っているが、明らかに盛り上がりに欠けると自分でも分かる。しばらく当たり障りのない会話を続ける。

「お話の途中ですが、男性の方はご移動お願いしまーす」と司会の声。交換していたプロフィールカードを元に戻す。
「あっという間ですね。はい、どうもありがとうございました。」

席を立ち、カバンと配布物を持って隣のブースに移動する。ただ、待ち受けているのは大柄な女性で、下手したら自分よりも体重があるかもしれない。女芸人のゆりやんレトリバーくらいか。数分の会話。

「あはは、わたしもそれ好きですよ。時間短いですね、どうもありがとうございました」
常にニコニコしていて愛嬌のある女性で話も盛り上がったが、デブはないな、と気持ちを切り替える。これが理想が高いということだろうか。次の女性は細身で可愛らしくテンションが上がる。

「ええ、僕のほうは大学から東京に出てきて、就職もこっちなのでずっと東京ですね。一人暮らしも長いです。」
なんだか面接でのやり取りみたいな雰囲気のまま終わってしまう。そして次の女性、と思いきや一人での待ち時間になる。

男女比が合わないと、パーティーでは一人で待つ時間が発生することも多い。数分の待機。明らかにこちらに興味なさそうな態度の女性、俺の顔は好みではないのだろう。また移動、ノッポで貧乳の女性、老けて見える同年齢、一度話したことのある相手、そして次の女性へー

※※※

婚活パーティーに数十回参加してきた。自分はモテないんだな、という現実もようやく受け入れられるようになってきて、ただ最初のころよりは随分とマシにもなってきた。が、結局はうまく行かない。

そろそろ一生独身の可能性もあるんじゃないか? 
それは嫌だ。
いや、でも結婚願望昔から強かったわけでもないし、世間体が悪いというか「結婚できない男」であるのが嫌なだけなんじゃないか? 婚活なんて金の無駄だろう? 別に独身一人暮らしで何の不自由もないんじゃないの?
いや、まだ若く見える30代のうちに動かないと40過ぎてからだと遅いよ。小学生の子供がいる同級生だっているんだ。早く動いたほうがいい。
と、自問自答。

しばらく活動休止。でも休日にカップルや家族連れを見かけて、やっぱりああいうのは良いな、と婚活再開。うまく行かずまた中止、再開、と、婚活は迷路をグルグル回っているような感じだ。

そんなどこにでもいそうな30代半ばの男性の婚活の「赤裸々」な記録です。少しでも皆さんの参考になればと思います。


参考 IT業界の男女比
https://www.it-careerexpo.com/741